イタリア伝統菓子 ビスコッティ専門店 ビナーシェ

コラム

ビスコッティとは?本場フィレンツェの味

本場フィレンツェで修行した店主が手掛けるビスコッティ専門店Binasce(ビナーシェ)が、Biscotti(ビスコッティ)の魅力とこだわりを詳しく解説します。
ビスコッティの歴史から、ビナーシェならではの美味しさ、そしてご家庭での楽しみ方まで、お伝えいたします。

Binasceのアーモンドビスコッティ
ビナーシェのビスコッティ(アーモンド)。
ビスコッティとしては最もポピュラーな味です。

ビスコッティとは?その語源と歴史

「二度焼き」から生まれたイタリア伝統菓子

ビスコッティは「2度焼きした」という言葉が語源となっている中部イタリアの伝統菓子で、別名カントゥッチとも呼ばれます。

一度焼いたビスコッティを取り出してカット
一度焼いたビスコッティを取り出してカット

棒状に延ばして焼いた生地を一度取り出し、温かいうちにカットして再びオーブンで焼きます。

2度焼くことで水分を飛ばし、保存性を高め、香ばしい香りを引き出します。

(いわゆるクッキー菓子をイタリア全土でビスコッティと呼ぶこともありますが)言葉の意味で考えると「元祖ビスコッティ」と言えるのはこの”2度焼き”製法のお菓子になると思います。

ドゥオモを見下ろすフィレンツェの町並み
ドゥオモを見下ろす。フィレンツェの町並みを背景に。
池田匡克さん撮影を少しトリミングさせていただきました

この伝統菓子はイタリア中部のトスカーナ地方が発祥とされ、州都フィレンツェなどでは街のいたるところでお土産としても親しまれています。

ビスコッティ(カントゥッチ)は、16世紀にはすでに存在していたとされ、18世紀の文献にはそのレシピが確認されています。
トスカーナ地方では、甘口ワイン「ヴィンサント」に浸して食べる習慣が根付いており、食後のデザートとして欠かせない存在となっています。

カントゥッチとフィレンツェの夜のイメージ
ビスコッティは夜景にも似合うお菓子だと思います。
この写真はイメージです。

ちなみに「カントゥッチ」という名前の語源には諸説あります。
1つは、イタリア語の「canto(カント)」が「角」や「パンの耳」を意味することから、ビスコッティの形や端の部分に由来するという説。
もう1つは、そのカリカリとした歯応えが「canto(歌う)」ように聞こえる、あるいは可愛らしい「鳥のさえずり(cantucci)」のようである、というロマンチックな解釈も存在します。
どちらの説も、このお菓子が持つ魅力の一端を表していると言えるでしょう。

Binasce(ビナーシェ)のビスコッティ:こだわり抜いた「二度焼き」の真髄

「ビスコッティ」への独自の解釈と製法

ビスコッティという言葉を分解すると、

「ビス」=2度、「コッティ」=焼いた

という意味なのですが、ビナーシェでは

「ビ」=2度、「スコッティ」=よく焼いた

と解釈しています。

「ビ」は英語でいうところの「バイ」。2つの輪で「バイシクル」、2つの運動競技で「バイアスロン」の「バイ=ビ」です。

「スコッティ」は「あらら、焼きすぎちゃった」というニュアンスでも使われたりするのですが、ロースト肉でも野菜でも「半生」よりも「中までしっかり火を入れた」料理を好むイタリア人にとっては、ときに大切な調理表現なのです。

Binasceの黒糖&クルミビスコッティ
ビスコッティ(黒糖&クルミ)

ビナーシェでは「小麦粉にしっかり火を入れ、その味と香りがいつまでも口の中に余韻として残る」ことを目的に、とても長い焼き時間を設けています。

焦がさないように、種類ごとに細かい温度調整をしながら焼きこみますので、手間はかかりますが、これにより他の菓子にはない食感や香り、余韻の長さが生まれるのです。

カットしたビスコッティを再度焼きます
カットしたビスコッティを再度焼きます

素材へのこだわりと職人の技

Binasceのビスコッティは、厳選された小麦粉、ナッツ、ドライフルーツなど、一つ一つの素材が持つ本来の風味を最大限に引き出すために、職人が手間暇を惜しまず丁寧に焼き上げています。
素材や気候を考慮して焼き時間を細かく調整し、より香り高く、より美味しくなるように努力を続けております。
妥協のない素材選びと職人の確かな技術が、他では味わえないBinasceならではのビスコッティを生み出しています。

Binasceのこだわりのビスコッティは、オンラインショップでも全国へお届けしています。
ご自宅で本場の味をお楽しみください。

オンラインショップでビスコッティを見る

ビスコッティの美味しい楽しみ方:おすすめのペアリング

本場トスカーナ流「ヴィンサント」との組み合わせ

先にも書いたとおり、トスカーナでは甘口ワイン「ヴィンサント」とビスコッティを併せて食べる文化が根付いています。
レストランのデザートメニューには「ビスコッティ」が載っており、そこには必ず’セット’になる「ヴィンサント(=聖なるワイン)」が並記されます。
和食割烹でお品書きに「お饅頭」とか「お煎餅」と日本酒のセットが載ってるようなもので、ちょっと不思議ですよね。

ヴィンサント(=聖なるワイン)
ヴィンサント(=聖なるワイン)

イタリア・トスカーナでは常に「ビスコッティとヴィンサント」という書き方がされていて、「食事は食べ終わったかい?、まぁゆっくりしていきなよ」という雰囲気でサーブしてくれます。
つまりこれは食後の会話の潤滑油のようなポジションのお菓子なのです。
食事時間の会話を大切にするイタリア食文化において、度数の高くない甘口のワインをちびちびやりながらビスコッティも合間につまむというのは非常に「ちょうどいい」アイテムだと思います。

コーヒー、紅茶、そして意外な組み合わせも

日本ではこの甘口ワインに準ずる飲み物の習慣がないので、コーヒーやカプチーノ、紅茶などがそれに代わって認知されているように思います。
でも実はウイスキーなどの蒸留酒だったり、少し甘いニュアンスのある赤ワインとも相性は抜群なんです。
是非それぞれのスタイルでお楽しみください。

ビスコッティの食べ方ヒント

  • そのままザクザクッと: Binasceのビスコッティは、そのまま食べていただくことを想定して製造しております。小麦の香ばしさや素材の風味とザクザクした歯ごたえを楽しめます。
  • コーヒーや紅茶に浸して: 硬めのビスコッティは、温かい飲み物に少し浸すと、しっとりとした食感に変わります。変化球としてお試しください。
  • ヴィンサントやワインと一緒に: もちろんBinasceではヴィンサントや赤ワインも販売しております。実店舗のみの販売となりますが、本場イタリアの組み合わせにご興味のある方はぜひ一度お店へお越しください。
  • アイスクリームやヨーグルトのトッピングに: 細かく砕いてトッピングすれば、食感のアクセントと香ばしさをプラスできます。

Binasceのおすすめビスコッティ:定番からオリジナルまで

定番人気!アーモンド&チョコレートビスコッティ

ビスコッティといえばイタリアでは90%くらいが「アーモンド入り」の印象ですが、2番目に見かけるのはチョコレート入りのビスコッティ。

ビナーシェではカカオ使用量の多い「純チョコレート」の規格のものを厳選して使用しています。
よく焼いたあとでも風味を失わず、粉のしっかりした味わいとの相性もぴったりです。

Binasceのチョコレートビスコッティ
ビスコッティ(チョコレート)

創造性豊かなビナーシェオリジナルのビスコッティ

お菓子のルーツには敬意を持って日々取り組んでいます。 とはいえやはり「他にもこんな美味しさが表現できるんじゃないか」という創造もまた大切なものと考えます。

Binasceのゴールデンベリービスコッティ
ビスコッティ(ゴールデンベリー)

ビナーシェでは「いちじく&クルミ」や「アールグレイ」、はたまた「パルミジャーノ」や「黒糖&マサラチャイ」などの独自の味わいをビスコッティで表現しています。

店主が大切にしているのは、ずばり「美味しさの基準点」。
その味がきちんと表現できているか、ビスコッティらしさを大切にしつつ、作っている自分が「美味しいね♪」と思えているか、そういう「ものさし」に責任を持ってお出ししています。
なので簡単に新しい味がリリースできませんが(言い訳?)、どのビスコッティにも「私はこれが一番好き!」と仰って下さるお客様の声があり、それがとっても励みになっています。

是非是非、他とは違うお菓子たちを楽しんでください!

Binasceのパルミジャーノレッジャーノビスコッティ
ビスコッティ(パルミジャーノ)

ビスコッティに関するよくある質問 (FAQ)

Q1: ビスコッティは硬いですか?

A1: ビスコッティは「二度焼き」製法のため、一般的なクッキーに比べて硬めの食感が特徴です。
これがコーヒーやワインに浸して食べるスタイルになったひとつの理由です。
しかしBinasceのビスコッティは「硬さ」がありつつも、一口サイズでザクザクと噛んで食べられる絶妙な硬さと大きさで製造しています。
小麦粉の風味を最大限に引き出す焼き加減にこだわりつつ、食べやすさにもこだわりました。

Q2: ビスコッティの保存方法は?

A2: 直射日光や高温多湿を避け、常温で保存してください。
密閉容器に入れると、より長く風味を保つことができます。
ビナーシェではしっかり水分を飛ばす”焼き”を入れており、賞味期限は比較的長いものが多いですが、詳しくは商品パッケージをご確認ください。

Q3: ビスコッティはギフトにもおすすめですか?

A3: はい、Binasceのビスコッティは、おしゃれなパッケージと豊富なフレーバーで、大切な方へのギフト手土産に大変喜ばれています。
オンラインショップでは、様々な詰め合わせもご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

Q4: ビスコッティのカロリーはどれくらいですか?

A4: ビスコッティの種類やサイズによって異なりますが、ビナーシェのプレーンビスコッティは1グラムあたり3.59kcal程度です。
Sサイズが30gですから、108キロカロリー程度となります。
Sサイズはおやつにちょうど良いカロリーですし、登山などの携帯食としても重宝されております。

Binasceのビスコッティを今すぐお試しください!

こだわりの製法と厳選素材で作り上げた、本場イタリアの味をぜひご自宅で。

オンラインショップでビスコッティを見る

ギフトや手土産にも最適な詰め合わせもご用意しております。

筆者:店主 山本 慎弥

ビスコッティの本場である、イタリア、フィレンツェで修行。 その地で培った知識と技術、そしてビスコッティへの深い愛情を胸に、ビスコッティ専門店Binasce(ビナーシェ)を立ち上げました。
「小麦粉の味と香りがいつまでも口の中に余韻として残る」ビスコッティを追求し、日々、心を込めて焼き上げています。
シェフプロフィール詳細など、ビナーシェについて

  • 2025.07.17
  • 13:04

ビスコッティは固い?

過日の対面販売を経験したときに改めて感じたことの一つに

「(この)ビスコッティって、固くないですか?」

という「ビスコッティ=固~いクッキー」なる認識が広まっているのだなという印象がありました。

この場合の「固い」には少しネガティブな印象も含まれているようで、「固焼きで、美味しいですよね」ではなく「固くって、ちょっと気合入れないと噛めないですよね(苦笑)」というニュアンスも感じます。

発祥のイタリア・トスカーナでは「甘口ワインやコーヒーに少し浸してから食べるもの」という風習もあり、「だからこれだけ固くっても、しょうがないんだよね(そういう食べ方があるんだし、そのまま食べようとするからいけないんだよね)」といった「世間の空気」があるように思います。

でもそれっておかしい!!

と思ったのが、私がこのお菓子に興味を持ったきっかけでした。「100年を優に超す歴史のあるお菓子が、“こう食べなければいけない”という懐の狭さなわけがない!」と思ったんですね

とはいえ、たいていのビスコッティは「とっても固~い」か、「じめっとして、なんか湿気った感じ」かのどちらかでした。なんだかとても不思議な感じ。だって

「これって、人間が本能的に美味しいって感じるはず、ないのになぁ」

って思ったんですね。そこにはたぶん、「ま、でもこういうものだから」といった大きな大きな誤解と妥協が存在するように思うのです。

代々受け継がれてきた料理には美味しくないものは一つもなくて、もしそう感じることがあったらそれは作り手のせい。ビナーシェではこの考えを大切にしたいと思っています。(ということは、ビナーシェのビスコッティは固すぎるなんてことはありませんので、まだ未体験の方は是非お試し下さいませ)

美味しさにはいろいろな形がありますが、「楽しい美味しさ」をご提供できるように努力してまいります。一歩一歩の成長と新作登場を是非お楽しみに!

(店主より)

バレンタインの発祥地はどこ?


2月14日


一般に日本では『バレンタインデー』と呼ばれるこの日は世界各地でカップルの愛の誓いの日とされています。



バレンタインデーの歴史はとても古く、ローマ帝国の時代にまで遡るとされています。


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[バレンタインデーの起こり](諸説あり)

皇帝クラウディウス二世(在位268-270)は、若者たちがなかなか戦争に出たがらないので、手を焼いていました。
その理由は彼らが自分の家族や愛する者たちを去りたくないからだと確信するようになったクラウディウスは、ついに結婚を禁止してしまったのです。

バレンタイン

ところが、イタリア中部にある町ででキリスト教司祭をしていたウァレンティヌス(英語読みではバレンタイン)は、かわいそうな兵士たちをみかねて、内緒で結婚をさせていました。

それが皇帝の知るところとなり、バレンティヌスに罪を認めさせてローマの宗教に改宗させようとしましたが、ウァレンティヌスはそれを拒否しました。

そこで、投獄され、ついには西暦269年2月14日に、処刑されてしまったということです。(270年という説もあり)。

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ま、何が言いたいのかというと・・・


そうです!!


バレンタインデーの大本は『イタリア』にあるのですっ!!(笑)



ここでやっと『バレンタイン』→『イタリア』という流れを作れましたw


つ ・ ま ・ り ・・・


『バレンタイン』といえば『イタリア発祥(しかもイタリア中部)』!



『イタリア発祥(イタリア中部)』といえば『ビスコッティ』!!



『ビスコッティ』といえばBinasce(ビナーシェ)』!!!

(やっとたどり着いた・・・強引ですがw)



日本では『バレンタイン』=『チョコレートを送る日』という認識が強いように思えますが、それは日本固有の文化で世界的には『男性』から『女性』に『薔薇』や『メッセージカード』を渡すのが定番のようです。


つまりは・・・別に『チョコレート』じゃ無きゃいけない理由も無いわけですっ!!(笑)


そういうことで、もはやチョコにこだわることもないと気がづいた皆様!!



バレンタインには是非ともBinasceのビスコッティを♪


カフェラテ01
(本命ではなくともお世話になった人へお渡しするプチギフトとして使っていただけるとうれしいです♪)


スタッフ一同

【美味しい理由】「焼けた」と「焼いた」の違い

今回のコラムは・・・

タイトルにあります通り「焼けた」と「焼いた」の違いについて。

私(店主)はビスコッティ作りはもちろん、イタリア料理を専門としておりますが、そうした様々な場面において「美味しいものにはちゃんと理由があるなぁ」といつも思います。

それは「素材がいいから」というものだけではなくて、作り手による差異の部分でも。


例えば焼き鳥。

鶏肉を串に刺して、熱源にかざせば火は入ります。これはつまり「焼けた」状態。お腹はこわさないし、それなりに美味しい。

でも職人の方は、熱源の差異や距離、肉の大きさや部位、個体差を考慮して、その美味しさの頂点を目指します。これが「焼いた」状態ですね。この違いが難しくも楽しいところの一つですよね。

ビナーシェのビスコッティも、「深く焼く」ことをとても大切に考えています。


ビスコッティイメージ画像

焼き過ぎると苦味が出ますが、焼きが足りないと香りも味も出てこないのです。同じ生地でも焼き時間で仕上がりに決定的な違いが出るので毎回最後の瞬間は気が抜けません。

見た目がどれも「深い茶色」で、写真映えがしないとスタッフにはよく言われるのですが(笑)。味ありきゆえ、ご容赦くださいませ(^^;


20150222_コラム
上記写真は私がイタリア時代に敬愛していたお店。


特に印象に残っている料理はパンチェッタを焼いてワインビネガーと合わせたもの。誰にでも出来そうな組み合わせですが、味の狙いやレベルが相当に高い一品でした。こういうものがビナーシェの目指すラインです。
20150222_

(店主より)

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