イタリア伝統菓子 ビスコッティ専門店 ビナーシェ

コラム

ビスコッティとは?


ビスコッティについて

「2度焼きした」という言葉が語源となっている中部イタリアの伝統菓子で、カントゥッチとも呼ばれます(カリカリとした歯応えがcanto(=歌う)ように聞こえることから、可愛らしい鳥のさえずり(=cantucci)という別名がつきました)。

棒状に延ばして焼いた生地を一度取り出し、温かいうちにカットして再びオーブンで焼くのです。

いわゆるクッキー菓子をイタリア全土でビスコッティと呼ぶこともありますが、言葉の意味で考えると「元祖ビスコッティ」と言えるのはこの”2度焼き”製法のお菓子になると思います。

この伝統菓子はイタリア中部のトスカーナ地方が発祥とされ、州都フィレンツェなどでは街のいたるところでお土産としても親しまれています。



ビナーシェのビスコッティの特徴

ビスコッティという言葉を分解すると、

「ビス」=2度、「コッティ」=焼いた

という意味なのですが、ビナーシェでは

「ビ」=2度、「スコッティ」=よく焼いた

と解釈しています。「スコッティ」は「あらら、焼きすぎちゃった」というニュアンスでも使われたりするのですが、ロースト肉でも野菜でも「半生」よりも「中までしっかり火を入れた」料理を好むイタリア人にとっては、ときに大切な調理表現なのです。


ビナーシェでは「小麦粉にしっかり火を入れ、その味と香りがいつまでも口の中に余韻として残る」ことを目的に、とても長い焼き時間を設けています。

焦がさないように、種類ごとに細かい温度調整をしながら焼きこみますので、手間はかかりますが、これにより他の菓子にはない食感や香り、余韻の長さが生まれるのです。



ビスコッティに合わせる飲み物

トスカーナではレストランのデザートメニューでも「ビスコッティ」が載っています。日本でお品書きに「お饅頭」とか「お煎餅」が載ってるようなもので、ちょっと不思議ですよね。でもそこには必ず’セット’になる飲み物が併記されているのです。

その飲み物とは「ヴィンサント(=聖なるワイン)」という名の甘口ワインです。常に「ビスコッティとヴィンサント」という書き方がされていて、「食事は食べ終わったかい?、まぁゆっくりしていきなよ」という雰囲気でサーブしてくれます。つまりこれは食後の会話の潤滑油のようなポジションのお菓子なのです。食事時間の会話を大切にするイタリア食文化において、度数の高くない甘口のワインをちびちびやりながらビスコッティも合間につまむというのは非常に「ちょうどいい」アイテムだと思います。


日本ではこの甘口ワインに準ずる飲み物の習慣がないので、コーヒーやカプチーノ、紅茶などがそれに代わって認知されているように思います。でも実はウイスキーなどの蒸留酒だったり、少し甘いニュアンスのある赤ワインとも相性は抜群なんです。是非それぞれのスタイルでお楽しみくださいね。



チョコレートのビスコッティ

ビスコッティといえばイタリアでは90%くらいが「アーモンド入り」の印象ですが、2番目に見かけるのはチョコレート入りのビスコッティ。

ビナーシェではカカオ使用量の多い「純チョコレート」の規格のものを厳選して使用しています。よく焼いたあとでも風味を失わず、粉のしっかりした味わいとの相性もぴっりです。




ビナーシェオリジナルのビスコッティたち

お菓子のルーツには敬意を持って日々取り組んでいます。とはいえやはり「他にもこんな美味しさが表現できるんじゃないか」という創造もまた大切なものと考えます。

ビナーシェでは「いちじく&クルミ」や「アールグレイ」、はたまた「パルミジャーノ」や「黒糖&マサラチャイ」などの独自の味わいをビスコッティで表現しています。

店主が大切にしているのは、ずばり「美味しさの基準点」。その味がきちんと表現できているか、ビスコッティらしさを大切にしつつ、作っている自分が「美味しいね♪」と思えているか、そういう「ものさし」に責任を持ってお出ししています。なので簡単に新しい味がリリースできませんが(言い訳?)、どのビスコッティにも「私はこれが一番好き!」と仰って下さるお客様の声があり、それがとっても励みになっています。

是非是非、他とは違うお菓子たちを楽しんでください!



筆者:店主 山本 慎弥

ビスコッティの本場である、イタリア、フィレンツェで修行。ビスコッティ専門店Binasce(ビナーシェ)の店主。
シェフプロフィール詳細など、ビナーシェについて

  • 2022.04.24
  • 08:44

ビスコッティは固い?

過日の対面販売を経験したときに改めて感じたことの一つに

「(この)ビスコッティって、固くないですか?」

という「ビスコッティ=固~いクッキー」なる認識が広まっているのだなという印象がありました。

この場合の「固い」には少しネガティブな印象も含まれているようで、「固焼きで、美味しいですよね」ではなく「固くって、ちょっと気合入れないと噛めないですよね(苦笑)」というニュアンスも感じます。

発祥のイタリア・トスカーナでは「甘口ワインやコーヒーに少し浸してから食べるもの」という風習もあり、「だからこれだけ固くっても、しょうがないんだよね(そういう食べ方があるんだし、そのまま食べようとするからいけないんだよね)」といった「世間の空気」があるように思います。

でもそれっておかしい!!

と思ったのが、私がこのお菓子に興味を持ったきっかけでした。「100年を優に超す歴史のあるお菓子が、“こう食べなければいけない”という懐の狭さなわけがない!」と思ったんですね

とはいえ、たいていのビスコッティは「とっても固~い」か、「じめっとして、なんか湿気った感じ」かのどちらかでした。なんだかとても不思議な感じ。だって

「これって、人間が本能的に美味しいって感じるはず、ないのになぁ」

って思ったんですね。そこにはたぶん、「ま、でもこういうものだから」といった大きな大きな誤解と妥協が存在するように思うのです。

代々受け継がれてきた料理には美味しくないものは一つもなくて、もしそう感じることがあったらそれは作り手のせい。ビナーシェではこの考えを大切にしたいと思っています。(ということは、ビナーシェのビスコッティは固すぎるなんてことはありませんので、まだ未体験の方は是非お試し下さいませ)

美味しさにはいろいろな形がありますが、「楽しい美味しさ」をご提供できるように努力してまいります。一歩一歩の成長と新作登場を是非お楽しみに!

(店主より)

バレンタインの発祥地はどこ?


2月14日


一般に日本では『バレンタインデー』と呼ばれるこの日は世界各地でカップルの愛の誓いの日とされています。



バレンタインデーの歴史はとても古く、ローマ帝国の時代にまで遡るとされています。


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[バレンタインデーの起こり](諸説あり)

皇帝クラウディウス二世(在位268-270)は、若者たちがなかなか戦争に出たがらないので、手を焼いていました。
その理由は彼らが自分の家族や愛する者たちを去りたくないからだと確信するようになったクラウディウスは、ついに結婚を禁止してしまったのです。

バレンタイン

ところが、イタリア中部にある町ででキリスト教司祭をしていたウァレンティヌス(英語読みではバレンタイン)は、かわいそうな兵士たちをみかねて、内緒で結婚をさせていました。

それが皇帝の知るところとなり、バレンティヌスに罪を認めさせてローマの宗教に改宗させようとしましたが、ウァレンティヌスはそれを拒否しました。

そこで、投獄され、ついには西暦269年2月14日に、処刑されてしまったということです。(270年という説もあり)。

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ま、何が言いたいのかというと・・・


そうです!!


バレンタインデーの大本は『イタリア』にあるのですっ!!(笑)



ここでやっと『バレンタイン』→『イタリア』という流れを作れましたw


つ ・ ま ・ り ・・・


『バレンタイン』といえば『イタリア発祥(しかもイタリア中部)』!



『イタリア発祥(イタリア中部)』といえば『ビスコッティ』!!



『ビスコッティ』といえばBinasce(ビナーシェ)』!!!

(やっとたどり着いた・・・強引ですがw)



日本では『バレンタイン』=『チョコレートを送る日』という認識が強いように思えますが、それは日本固有の文化で世界的には『男性』から『女性』に『薔薇』や『メッセージカード』を渡すのが定番のようです。


つまりは・・・別に『チョコレート』じゃ無きゃいけない理由も無いわけですっ!!(笑)


そういうことで、もはやチョコにこだわることもないと気がづいた皆様!!



バレンタインには是非ともBinasceのビスコッティを♪


カフェラテ01
(本命ではなくともお世話になった人へお渡しするプチギフトとして使っていただけるとうれしいです♪)


スタッフ一同

【美味しい理由】「焼けた」と「焼いた」の違い

今回のコラムは・・・

タイトルにあります通り「焼けた」と「焼いた」の違いについて。

私(店主)はビスコッティ作りはもちろん、イタリア料理を専門としておりますが、そうした様々な場面において「美味しいものにはちゃんと理由があるなぁ」といつも思います。

それは「素材がいいから」というものだけではなくて、作り手による差異の部分でも。


例えば焼き鳥。

鶏肉を串に刺して、熱源にかざせば火は入ります。これはつまり「焼けた」状態。お腹はこわさないし、それなりに美味しい。

でも職人の方は、熱源の差異や距離、肉の大きさや部位、個体差を考慮して、その美味しさの頂点を目指します。これが「焼いた」状態ですね。この違いが難しくも楽しいところの一つですよね。

ビナーシェのビスコッティも、「深く焼く」ことをとても大切に考えています。


ビスコッティイメージ画像

焼き過ぎると苦味が出ますが、焼きが足りないと香りも味も出てこないのです。同じ生地でも焼き時間で仕上がりに決定的な違いが出るので毎回最後の瞬間は気が抜けません。

見た目がどれも「深い茶色」で、写真映えがしないとスタッフにはよく言われるのですが(笑)。味ありきゆえ、ご容赦くださいませ(^^;


20150222_コラム
上記写真は私がイタリア時代に敬愛していたお店。


特に印象に残っている料理はパンチェッタを焼いてワインビネガーと合わせたもの。誰にでも出来そうな組み合わせですが、味の狙いやレベルが相当に高い一品でした。こういうものがビナーシェの目指すラインです。
20150222_

(店主より)

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